仏壇の購入、基礎知識から購入のポイントを解説

仏壇の購入、基礎知識から購入のポイントを解説

仏壇をいつ購入すればいいのか、どこに置けばいいのか悩んだことはありませんか。

このページでは、仏壇の基礎知識や購入のポイント、位牌の基礎知識など、新しく仏壇を購入するにあたり、はじめに知っておきたいことを解説していきます。

最後まで確認していただき、仏壇購入の参考にしていただけると嬉しいです。

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この記事の目次

  1. 仏壇を購入する
  2. 位牌を選ぶ

仏壇を購入する

ポイント:仏壇を購入するときは、宗派によって細かい違いがあるので注意する。

小さなお寺のようなもの

仏壇は、小さなお寺だといわれます。なかなか寺院に参拝できない一般の人たちも、家に仏壇があれば朝晩、礼拝できます。

ですから、仏壇の一番高い場所である「須弥壇(しゅみだん)」には、寺院のようにご本尊を祀ります。須弥壇は仏教世界の中心にそびえたつ高山「須弥山(しゅみさん)」を表しています。

ご本尊は宗派によって仏像であったり、曼荼羅(まんだら)であったり、掛け軸であったりと違いがありますから、仏壇店に相談してください。

戒名をいただいて仏の弟子となった故人の位牌は、ご本尊がいる須弥壇より低いところへ祀ります。
新しく仏壇を購入した際には、僧侶に読経をお願いし、開眼供養(魂を入れる)をしてもらうのが
しきたりです。

よく見かける仏壇は、仏間に置いたりする伝統的なデザインのものです。しかし、最近は棚やタンスの上に置けるようなコンパクトなタイプ、洋間にもマッチする家具調の外観のものなど、いろいろ販売されていますから、住宅環境に合ったものを選べます。

仏具は、「① 香炉(こうろ) 」、「②花立て」「③ 燭台(しゅくだい)」の三具足(みつぐそく)が基本とされています。これに鈴(りん)があれば、毎日の礼拝には問題ないでしょう。
しかし、宗派によっては仏具がこまかく決まっていますので、まずは仏具店に相談します。

仏壇の基礎知識

仏壇の基礎知識

開眼供養

仏壇を新しく購入したら、僧 侶に開眼供養(入魂供養)をしてもらう

タンスの上に置ける小型から幅1間(約 1.8m)の大型まで、さまざまなタイプがある。 価格は大きさや材質によって、数万円から数 百万、数千万円と幅がある。洋室にもマッチする家具調仏壇も登場

材質

漆を塗った「塗り仏壇」、木目をいかした「唐木仏壇」 がある。関西や中部は塗りが多く、関東は唐木が多い

位牌

本尊よりも一段低い棚に祀る

須弥壇と本尊

仏教世界にそびえる須弥山をかたどった須弥壇は、仏壇の中心であり聖域。本尊を祀る。本尊は宗派によって異なる

観音開き

仏壇の扉は観音開き(両開き)なので、置き場所 を考える場合、扉がじゅうぶん開けられるスペー スが必要

過去帳

故人の生没年、享年を記録する。趣味や生い立ちなどを記してもよい。命日などの確認に利用するが、代々続ければ家系図にもなる

仏具

宗派によって異なるが、三具足、五具足はだいたい共通。 三具足―香炉、花立て、燭台 五具足―三具足の花立て、燭台を1対にする

新たに購入するなら四十九日以降に

仏壇は、前述のように信仰のスペースなので、いつ購入しなければならないという決まりはありません。もちろん弔事(ちょうじ)がなくても購入してよいのです。

今まで仏壇がなく、親が亡くなったことを機会に購入するのであれば、本位牌ができる四十九日以降がよいでしょう。忌明けまでは、まだ故人は仏となっていません。その間は仏壇の扉を閉めるならわしなので、開眼供養もできないからです。

置き場所を決めてから仏壇店へ

仏壇店にでかける前には、家のどこに置くかを決めて、広さを計っていくことが大切です。陽が直接当たったり、台所の近くで湿気の多い場所など、仏壇が傷みやすい場所は避けるべきでしょう。

仏壇の安置場所については、伝統的に3説があります。

①南面北座説


仏壇は南向き、拝む人は北を向く。

②本山中心説


拝む人が宗派の本山を向くように。

③西方浄土説

仏壇は東向き、拝む人は西を向く。西は極楽浄土(ごくらくじょうど)があるとされる。

しかし、現在は住宅事情もあり、必ずしも方角にこだわることはないというのが一般的な考え方です。家族が毎日、礼拝(らいはい)しやすい場所を基準に考えるとよいでしょう。

位牌を見下ろさないように

仏壇が間に合わない場合は、位牌と遺影を棚などに置いて、朝晩お線香、水(またはお茶)などを供えることでも立派な供養になります。故人を偲ぶ気持ちに変わりありません。

この場合、座って拝むにせよ、立って拝むにせよ、礼拝時に、位牌を見下ろしてしまうような低い位置に置かないよう注意しましょう。これは仏壇を安置する場所についても注意したい点です。

購入のポイント

ポイント① いつ購入したらいい?

特にきまりはないが、新しく購入する場合、開眼・入魂供養を同時にしてもらえるので、本位牌とあわせてそろえることが多い。四十九日の法要をめやすと考えるとよい。

ポイント② どこに置いたらいい?

仏間があれば、そこに安置する。仏間がなければ、家族が礼拝しやすいところに置く。直射日光が当たったり、湿度が高い場所は避けたい。神棚がある場合は、向かい合わせにならないように置くのがしきたり(ど
ちらかに祈るとき、もう一方にお尻を向けてしまうから)。

ポイント③ 開眼供養はどうやる?

菩提寺のご住職に来ていただき、読経をお願いする。これによって、物であった本尊が尊仏となる。四十九日までに用意する本位牌も同様に入魂が必要であり、同時にお願いすることが多い。住職に来ていただけない場合は、本尊、位牌を寺に持参し読経してもらう。

ポイント④ そうじの仕方は?

日常的に、からぶきで仏壇、仏具のほこりを払っておく。漆、金箔部分は水ぶきはせず、手の脂などもつかないように注意。命日、お彼岸、お盆などの前には、本尊などのほこりをていねいに払い、洗える仏具は洗う。掃除を始める前に合掌、礼拝を忘れない。

神道の先祖祀

神道には神棚がありますが、個人の霊は御霊舎(みたやまや)に祀ります。新しく購入する場合は、五十日祭までに用意します。仏式の位牌にあたる霊璽(れいじ)、先祖の霊が宿るとされる神鏡を納めます。

キリスト教の祭壇

キリスト教は教会が祈りの場であり、家庭に祭壇を置く習慣はありません。高い位置に遺影を飾り、花や好物を供えるなど、自然なやりかたで故人を偲ぶとよいでしょう。

キリスト教用品専門店のなかには、仏壇のような家庭用祭壇を購入できるところもあります。

位牌を選ぶ

ポイント:葬儀が終わったら、故人の魂を入れる本位牌(ほんいはい)を四十九日までに用意する。

位牌の基礎知識

位牌の基礎知識

入魂供養

本位牌は、僧侶に入魂供養をして もらう。忌明けまでに用意するが、 供養は四十九日の法要時にいっしょにお願いすることが多い。戒名を入れるのに2週間ほどかかるので早めに仏具店に相談する

葬儀は仮位牌で

葬儀時の白木位牌は野辺送り用の仮位牌。 本位牌を仏壇に安置したら、白木位牌は菩提寺に納める

夫婦の戒名を一緒に 入れることもできる

夫婦の戒名を並べて入れ、ひとつの位牌にする

材質

表面に漆を塗った「塗り位 牌」、きめが細かく硬い黒檀、紫檀などの木目をいかした「唐木位牌」がある。 材質や塗り仕上げによって値段は幅がある。1万円前後から10万円以上まで

仕様

台座の上に札板がのる。この札板の高さによって号数が決められている。3号(15.5cm)~6号(28.0cm)が一般 的。札板部分がケースのようになっていて、複数の位牌板を納める「繰り出し位牌」も昔からある

戒名

仏の弟子としての名前。お寺でつけてもらう。宗派によっては、法名、法号などという

没年月日

裏に入れる場合も

故人の名前、亡くなった年齢が入る

仮位牌から本位牌へ

臨終後すぐに作られる白木の位牌は「仮位牌」です。四十九日の忌明けにはお寺に納め、「本位牌」を仏壇に祀ります。
位牌は、故人の戒名、俗名、没年月日などが書かれ、残された人にとっては亡き人を偲ぶ大切なものです。戒名の書き方は宗派によって異なるので、仏具店に相談します。

制作日数が2週間ほどかかりますから、四十九日に間に合うよう時間に余裕をみて依頼しましょう。四十九日の法要の日に、僧侶が白木位牌から魂を抜き、本位牌に魂を入れてくれます。

「塗り位牌」と「唐木位牌」

位牌は、漆うるしを塗った「塗り位牌」と、木目を活かした「唐木位牌(からきいはい)」に大別されます。仏具店でよく見て、故人の風格にふさわしいものを選びましょう。

値段は、材質、仕上げによって幅があります。すでに仏壇に位牌がある場合は、今までのものとそれほど差がない質のものを選ぶとよいでしょう。

年月がたって傷んだ位牌は、修理するか新しく作り直すかします。夫婦を1つの位牌に納めたり、先祖代々の戒名をそれぞれ札にして、ひとつの位牌に納めることもできます。

なお、浄土真宗では位牌を作らず、僧侶から、法名軸か過去帳に法名(別宗派の戒名にあたる)を書いてもらい、祀るのがしきたりです。しかし、あまりしきたりにこだわらず位牌を作る喪家も少なくありません。

※宗派(浄土真宗など)によっては位牌を作らないこともあります

■参照元
改訂増補 親の葬儀とその後事典
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平成20年9月30日 旧版第1刷発行 
平成29年5月26日 改訂版第1刷発行

著 者:黒澤計男 溝口博敬
発行者:東島俊一
発行所:株式会社法研

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